2017年2月19日日曜日

海の本屋復活(2)


 海の本屋復活(2

2日間だけの 海の本屋復活スペシャル》
318日(土)19日(日) こうべまちづくり会館
 
「毎日新聞」219日神戸版で紹介いただきました。平野がボケーっと写っています。私のアワワ話をまとめてくださった木田記者に感謝。

 

 愛知で『ほんまに』(くとうてん)を押してくれる書店員さん

愛知県知立市の正文館書店知立八ツ田店・清水さんが『ほんまに』第18号を地元新聞で紹介してくださいました。神戸から離れた土地でミニコミを推奨・応援くださる。ありがとうございます。


(平野)

2017年2月18日土曜日

あきない世傳 金と銀(三)


 髙田郁 『あきない世傳 金と銀(三)奔流篇』 
角川春樹事務所ハルキ文庫 580円+税

 
主人公・幸は武庫郡津門村(むこぐんつとむら、現在の西宮市)の学者の娘。父・兄が亡くなり、母と妹を残して大坂天満の呉服商「五鈴屋」に奉公。女衆(おなごし、店には出ず奥の仕事を担当する)ながら、番頭に才能を認められ四代目店主の後添えに迎えられた。その夫が事故死し、幸は17歳で寡婦になる。夫の弟が幸と結婚し、五代目を継ぐ。
彼は、商才があり、大きな目標もあるのだが、人情や商道徳に欠けるところがある。それでも幸の知恵や人間味に感化されて、江戸進出を目指して店を改革し、新しい仕入先・商品を開拓する。
しかし、彼はその仕入先に酷い仕打ちをしてしまう。またもや幸に大きな試練が立ちはだかる。

 いつものように、幸の身の上に福と禍が交錯する。私は作者のサディスト体質に慣れている。今回驚いたのは、作者がついに〈濡れ場〉を描いたこと。作者はこれまで(私のボケ記憶だが)純愛しか描いていないはず。
 幸は四代目に嫁いだものの、まだ少女で、彼は手を出さなかった。五代目と一緒になって、名実とも夫婦になる。

(平野)
 作中、四代目・五代目の祖母「お家(え)さん」が幸の着物を「こぉと(質素で上品)で、(すい)で」ほめる。久々にこの表現あった。ばあちゃん明治35年生まれ)が使っていた。

2017年2月17日金曜日

海の本屋復活


 海の本屋復活

318日・19日「神戸開港150年記念」と銘打って、元町商店街で本のイベントを開催します。

『海の本屋のはなし』刊行委員会

2日間だけの 海の本屋復活スペシャル》

ポスター・チラシはもう少しお待ちください。こちらを。


ギャラリー島田〈画廊通信〉最新号に速報あり。


 
(平野)

2017年2月16日木曜日

プリニウスⅤ


 ヤマザキマリ とり・みき 
『プリニウス 』 新潮社 680円+税

 
 古代ローマの博物学者評伝。プリニウス一行はネロ暴政下のローマを脱出。東方放浪者の冒険譚に刺激され、また旅に出る。

《書物の情報や想像だけでは本当の事はわからぬ 
 わかったつもりになるだけだ 
 動いて得られた教養こそが本物の血となり肉となる

大地震直後のポンペイに立ち寄り、アフリカに向けて出航。嵐に遭い火山島に漂着する。

 ポンペイの権力者が横暴で独善的で女性蔑視で、あの新大統領にそっくりに描かれている。対立する女性実業家も登場。作品発表時はまだ「候補者」だった。とりは、ヤマザキが描いたから当選したのかも、と笑う。

 巻末の対談より。
マリ ああ、そうか。大体、私が関与するとなにか起きるんですよね。
とり ポンペイの地震のシーンを描いた直後に、僕の故郷である熊本でも地震が起きましたし。古代ローマのことを描いていたとしても、日本や世界のリアルタイムの出来事が反映されてしまう。
マリ 狙って構想を考えたり、描いているわけじゃないんですけどね。
とり 漫画を描いてノッている時というのは、往々にしてアンテナが現実の少し先のことを無意識に感知したりするもんですよ。

(平野)
ほんまにWEB(奥のおじさん)更新。

2017年2月11日土曜日

みすず 読書


 『みすず』2017年1・2月合併号 読書アンケート特集
   みすず書房 300円+税
 

恒例の読書アンケート特集。146人の識者が新刊・旧刊問わず昨年読んだ本から紹介。書店員は福嶋さんと古田さんが常連ですが、今回〈Title〉辻山さんがトップバッターで登場。

 

置いている本屋さんは少ない。版元に注文可能です。


表紙写真は中川道夫「Isle. アイルランド紀聞」。

 本号、連載は小沢信男「賛々語々」のみ。
〈初夢や金も拾はず死にもせず 漱石〉の句を冒頭にあげ、漱石文学の偉大さを語る。漱石と同じく今年生誕150年を迎える宮武外骨の反権力にも言及。

《漱石と外骨と。先駆的近代人の双璧ではあるまいか。》

(平野)

2017年2月8日水曜日

港町神戸今昔鳥瞰図

 青山大介 『港町神戸 今昔鳥瞰図 20171868』 
監修・神木哲男(神戸大学名誉教授) くとうてん発行 
3200円+税 写真はケース

 神戸開港150年記念出版。A1サイズ。解説パンフレット付き。

青山は港町神戸の姿を鳥瞰図で描いてきた。2008年版、2014年改訂版に続き、開港150年を迎えて、2017年版を作成した。
 新港第一突堤にできたホテル、温泉、ホール。16年に2度入港した客船「クアンタム・オブ・ザ・シーズ」、多くの新建築物がある一方、消えた建物がある。青山はまちを歩きまわり、ヘリコプターに乗り、精密に手描きする。

裏面は、古地図・古文書を繙き186811日(旧暦慶応3年12月7日)開港当日の神戸を描いた。海上に英米仏の軍艦が18隻いたそうで、図で祝砲を放っているのはイギリスのロドニー号。開港直前に亡くなった水兵たちの埋葬場所も見える。外国人墓地ができていた。この約1ヵ月後、三宮神社前で備前藩の行列と外国軍隊との間で刃傷事件が起きる。明治新政府最初の外交事件である。150年の歴史のドラマを読み取っていただきたい。

(平野)
 くとうてんサイトで申込めますが、本屋さん、古本屋さん、文具店などでも販売しています。販売店は下記で確認してください。
http://kutouten.net/?pid=112589680

2017年2月7日火曜日

ローカルブックストアである


 大井実 
『ローカルブックストアである 福岡ブックスキューブリック』 
 晶文社 1600円+税


 大井は1961年、福岡市生まれ。イタリア・東京・大阪でファッション関係や現代美術展覧会の企画・制作の仕事の後2001年福岡で新刊本屋「ブックスキューブリック」(15坪)を開業。06年、ブックイベント「ブックオカ」を立ち上げ、地元の商店主や本好きの人たちと本を媒介にした地域づくりを実践している。

《今でこそ、本屋という地域密着の商売をやっているが、小さい頃から転校が多く様々な場所を転々としてきた。まるで流れ者のような人生だった。そのせいだろうか、30歳を過ぎる頃から、どこかローカルな都市に腰を落ち着け、その地に根ざした地道な仕事をしたいと思うようになった。》

 福岡に戻ったのは20年ぶりだったが、開業してから次々交遊関係が広がり、毎年の「ブックオカ」につながっている。地域活性化だけではなく、福岡の本屋(4050店参加)共同販売フェアや書店員交流会など、業界活性化にも努めている。
 08年にはカフェとギャラリーを併設した2店目を開店し、イベントを重ねている。そこにはパン工房もできた。昨年の日記を見ると、イベントの内容と回数に驚く。
 個人で本屋を開業するのは難しいが、それでもチャレンジしている人たちが増えている。若者たちにエールを贈り、「小商い」のための実践的知識もアドバイスする。

《本屋というのは文化的なインフラのようなものだ。町に絶対になければならないものだと思っている。そんな草の根的なインフラを維持するための重要な拠点だ。本屋は儲けていないということは結構有名なので、逆に、あこぎな商売をやっていないという「クリーン」なイメージがある。そういう意味では、本屋は文化的で信用されるいい商売である。》

(平野)ほんまにWEB連載「海文堂のお道具箱」「しろやぎくろやぎ往復書簡」更新しています。