2013年11月27日水曜日

ぽかん


 『ぽかん 03』 ぽかん編集室 900円(税込)

 林哲夫さんのブログで見たのは10月末。24日ようやく【トンカ】で入手。


 袋入り3点、どれが本誌や?



一番小さいのが『ぽかん』。左下に小さく誌名があった。


http://pokan00.blogspot.jp/



名付け親になる話  山田稔

多喜さん漫筆(三)――色恋の談義  外村彰

天童のゐる五分間写生  澤村潤一郎

小樽余市訪問記――左川ちかのこと  中野もえぎ

『わが青春の詩人たち』  真治彩

サウダージ  福田和美

千代田区猿楽町1-2-4(其の一)  内堀弘

(付録)ぼくの百  千葉直哉

コラージュ(本誌・付録) 林哲夫


(付録)のんしゃらん通信

窓口をめぐりたどりつく先は  郷田貴子

折々ありぬ  藤田裕介

夏のお姉さん  近代ナリコ

子供は判ってくれない  中山亜弓

インテリア・エクステリア  能邨陽子

お濠を眺めて、紅茶を飲む  藤田加奈子

イラスト  西松実千代


「名付け親になる話」は本誌命名のこと。真治編集長に頼まれて、ぱっとうかんだ名前が「こないだ」と「ぽかん」。

前者は山田がエッセイで書いた自らのくせ。友人に会うと「こないだはどうも」と前置きして以前の出来ごとを蒸し返す。真治がその「こないだ」が好きだと山田に手紙を書いた。

後者は短篇小説の題。老文学青年が仲間を集め同人誌をはじめる相談。冗談から「ぽかん」が誌名にきまる。

「ぽかん」というのは、私たちの年代も子どもの頃にやったショーモナイ遊びというかカラカイ。考え事やボーッとしている友だちに「なあなあ」と話しかけて、「なんや」とこっちを見る相手の目の前で軽く握った手のひらを広げて「ポッカーン」と応じる。相手が忘れた頃にまたやる。やり返す。

真治は「ぽかん」を選んだ。

山田は「こないだ」を気に入っていて、これで同人誌を出そうと思いつく。むかしの仲間に呼びかける、参加の返事がとどくのだが……

おもろうて悲しいお話。




【編集後記】……

手紙を書くのがすきだ。いつだって手紙を送る相手をさがしている。(便箋、封筒、ペン、インクの色、切手など)おもいを巡らせる時間が楽しくてしかたがない。雑誌をつくるのはそんな気持ちとすこし似ている。……

 ほんまに900円でできるのか?



(平野)