■ 『ほんまに』第15号 ゲラより (その2)
特集 新刊書店と本の話 〈街の本屋〉海文堂閉店に思う
○東京 編集者I・Sさん
出張のたび【海】で購入した本。耕衣句集、震災本、伝説の雑誌追跡本……、それぞれに思い出がある。書店員たちとのつながりも。
……こうやって書いてみて気づく。本屋という場所は、本を買うだけの場所ではないのだと。「ご縁の神様」は【海】の震災本のあたりにきっといたのだ。……
○神戸 絵師A・Dさん 鳥瞰図制作過程紹介
○神戸 英文学者N・Tさん
小学生時代『象の図鑑』購入の話から【海】とのことを軸に書物遍歴のごくごく一部を語る。
○京都 画家H・Tさん
直近の神戸での個展。赤ちゃんがお母さんの腕から乗り出すようにして絵を見つめている。若いお父さんお母さんは【海】で知り合ったそうだ。ギャラリーの主も「ぼくだって【海】で妻と~」。
……【海】がなければ生まれなかった赤ちゃんもいる。これ以上の勲章はないではないか。……
○神戸 作家・翻訳家S・Sさん
……誰からも愛されていた書店が地図から消されるというのは私にとって焚書みたいなものである。(略)失われたのは愛のかたちである。……
続く
◇ ヨソサマのイベント
トンカ書店 再生100文庫展 12.1~15
水濡れ、線引き、カバーの痛みや大量流通など様々な事情によって店頭に並ばない文庫本100冊に作家達の手によって新しい命を吹き込みます
「本」としての価値がなくなってしまった本たちがアートとして蘇る。