2014年1月3日金曜日

『会社の人事』より


 新年は、死んだ人をしのぶために~

 『会社の人事 中桐雅夫詩集』 晶文社 (1979年刊 絶版)より

きのうはあすに

新年は、死んだ人をしのぶためにある、

心の優しいものが先に死ぬのはなぜか、

おのれだけが生き残っているのはなぜかと問うためだ、

でなければ、どうして朝から酒を飲んでいられる?

人をしのんでいると、独り言が独り言でなくなる、

きょうはきのうに、きのうはあすになる、

どんな小さなものでも、眼の前のものを愛したくなる、

でなければ、どうしてこの一年を生きてゆける?

 


 

装幀 平野甲賀 カバーの絵も

(平野)

「新年は、死んだ本屋をしのぶためにある~」と読んでしまう。