2014年7月14日月曜日

貧乏は幸せのはじまり


 岡崎武志 『貧乏は幸せのはじまり』 ちくま文庫 900円+税

 元本は『あなたより貧乏な人』(メディアファクトリー、2009年)。文庫化で加筆、改題、再編集。

 
プロローグ ビンボー原論

第一章   腐裕より貧格の人びと――楽しく強く清らかに
天本英世、金子光晴、稲垣足穂、五木寛之、浅沼稲次郎、和田芳恵

第二章   愉快痛快! 有名人の
赤瀬川原平、西原理恵子、吉田拓郎、井上陽水、群ようこ、明石家さんま ……

第三章   男もすなる貧乏を女もしてみんとて
吉永小百合、石阪啓、西加奈子、森茉莉

第四章 生活を生き抜く庶民の知恵――食と住処
伝統のニッポン貧乏食は変わらない美味しさ

四畳半伝説
爽快ナリ貧乏マンガの世界

第五章 これだけ押さえればOK! 古今東西借金術

第六章 貧乏のススメ――対談

 著者自身のビンボーエピソード、当時の写真もある。カバーは京都の下宿玄関。
 生活水準とか収入とかの「貧困」の問題ではなくて、貧しくても「精神の豊かさ」を持って生きた人たちの話。

 単行本で持っているが、対談に登場するのが荻原魚雷と【古書ますく堂】増田啓子だから読まなければならない。

 荻原は長く高円寺に住むが、高円寺内で引っ越し6度。更新するよりはちょっとでもましな所に。

(荻)本があるからそれを引っ越しで、一気に売りたいっていうのもありますね。
(岡)なるほどね。引っ越し整理術。新しい部屋を探す時、間取りなんかはどうなの?
(荻)四畳半、三畳の部屋があること、あとは変則的に壁があって窓がない部屋っていうのを探します。窓は一ヵ所だけあればいいから。
(岡)壁があって窓がない、っていうと刑務所だけど(笑)。やっぱりそれは、悪条件として安くなるから?
(荻)いや、そのほうが本棚を置けるからですよ。
……

基本的に自炊。ギャンブルは一切しないが「せどり」がちょっとギャンブル。一人で暮らすより二人。ほかにも細かい生活術の裏技も披露。

(荻)なんだかんだで高円寺とか中央線沿線に住んで、趣味に生きるみたいな文科系貧乏は、その趣味に使う時間が欲しいんです。本を読む時間をなくしてまでお金稼ぎたくない。あくせくとお金を稼ぐために費やす、その時間があったら音楽を聞いたり映画を観たりしたい。その結果、貧乏になってしまっているってことだと思います。

 増田のビンボー話もすごい。でも明るい。

(平野)

7.7(月)
『ほんまに』第16号取材で、若手古本屋さん座談会、灘のワールドエンズ・ガーデン。

7.10(木)
 仙台から『出版ニュース』7月上旬号。荒蝦夷Hさんがコラムで「海文堂生誕まつり」を紹介してくれている。ありがとう。
 確か原稿を書いたのは1月の末だった地元の機関誌春号が届く。大幅遅れだそうで、私は忘れられているのかと思っていた。
 大倉山の中央図書館で調べ物。『海文堂の本』(仮)やら、元町原稿用やら。

7.11(金)
 仙台鯨が届く。ありがとう。夜の「海文堂イベント打ち上げ」に持参。あのバカ騒ぎからもう1ヵ月。F店長、K元店長とはあれ以来。詩人から貴重な詩集を拝借。ラブレターは挟まれていなかった。

7.12(土)
 神戸映画サークル『映画批評』夏号をいただく。ありがたいけど、私は熱心な映画ファンではないので辛いところ。ありがとう。
 K元店長にお借りしていた資料を返送。

 7.13(日)
 F店長から電話。呑み会かと思うたら、ちゃうかった。塩谷の洋館の蔵書整理を手伝えとのこと。