2014年11月6日木曜日

ポルカ マズルカ


 竹中郁 『詩集 ポルカ マズルカ』 潮流社 1979年(昭和545月刊

 竹中の第9冊目の詩集。翌年読売文学賞受賞。

「そのノートブック」

十三年前といえば
敗戦直後だ
その時代のうすっぺらなノートブック
紙質もわるく インクもわるく
息たえだえだ

かろうじて読める文字
空腹で倒れそうな文字
さむいかとか リンゴはあるかとか
書いてある
停電 停電とも書いてある

そのノートブックが
そのころ一家八人を養ってくれた
そのころ ぼつぼつ詩が売れた
そのノートブック 日焼けして
そのノートブック 手垢で擦れて
そのノートブック すこぶる軽い

 限定500部、サイン入り。

(平野)
10.31(金)
 本郷のNR出版会事務局にご挨拶。くららさんと赤ちゃんに会えて、それだけで来てよかったと思う。インパクト、新泉社の皆さんと昼ごはん。
 ニコライ堂から古書会館。「本多正一の写真・仕事展」見て、古書即売会場。旅行カバン持ったままで入場していて、お客さんに「荷物預けなさい」と注意を受ける。すみません、不慣れで失礼。おかげで本書を見つけることができた。